土地の評価方法 倍率方式

平均的な倍率は1.1倍

土地の相続税評価額を求める際、路線価が定められていない地域(倍率地域)で使用される「倍率」の平均について

宅地の場合、全国的に「1.1倍」が最も一般的(平均的)な数値です。

理由は以下の通り、評価額の「基準」の違いにあります。

1. なぜ「1.1倍」が多いのか?

日本の土地には複数の評価軸があり、それぞれ時価(実勢価格)に対する割合が概ね決まっています。
相続税評価額(路線価水準): 時価の約80%

固定資産税評価額: 時価の約70%

倍率方式は「固定資産税評価額」を「相続税評価額」の水準に引き上げるための計算です。

80%÷70%=1.1

このため、多くの地域で1.1という倍率が設定されています。

田畑・山林・原野は数倍~数十倍

地は、宅地(1.1倍程度)に比べて**「数十倍〜百数十倍」**と非常に高い倍率が設定されることが一般的です。これは、農地の固定資産税評価額が「農地としての収益性」に基づいて極めて低く評価されているため、相続税の水準まで引き上げる際に大きな倍率が必要になるからです。

この高い評価額(税負担)を抑えるための主な特例や仕組みは以下の通りです。


1. 相続税の「納税猶予」の特例(最大級の減税)

これが最も強力な特例です。後継者が農業を続けることを条件に、「本来の相続税」と「農業投資価格(農地としての価値)」の差額分の納税を猶予し、最終的に免除する制度です。

  • 効果: 評価額が実質的に9割以上カットされることも珍しくありません(例:評価額1億円が、農業投資価格では数十万〜数百万円程度になる)。

  • 主な要件:

    • 被相続人(亡くなった人)が死亡日まで農業を営んでいたこと。

    • 相続人が相続税の申告期限までに農業を引き継ぎ、その後も継続すること。

  • 注意: 途中で農業をやめたり、農地を売却・転用したりすると、猶予されていた税金に「利子税」を加えて一括納付しなければなりません。


2. 「市街地周辺農地」の80%評価

市街化が進んでいる地域の農地(市街地周辺農地)の場合、その土地が「市街地農地(宅地に近い評価)」であるとした場合の価額の80%で評価します。

  • 自動的に2割引きで評価される仕組みですが、それでも純粋な農地に比べると評価額は高くなります。


3. 「生産緑地」の評価減

都市部(市街化区域)にある農地で「生産緑地」の指定を受けている場合、営農義務がある代わりに評価額が減額されます。

  • 減額率: 指定からの期間や買取り申し出の可否によりますが、10%〜35%の評価減が受けられます。


4. 農地の区分による評価方法の違い

倍率が高いのは「純農地」や「中間農地」ですが、場所によっては計算方法自体が変わります。

農地の区分 評価方法の概要 特徴
純農地・中間農地 倍率方式 倍率は高いが、元々の固定資産税評価額が低いため、税額自体は抑えられやすい。
市街地農地 宅地比準方式 「宅地とした場合の価額」から「造成費」を引いて計算。評価額が非常に高くなりやすい。

まとめ:どの特例が使えるか?

農地の相続で最も重要なのは、「今後も農業を続けるかどうか」です。

  • 続ける場合: 「納税猶予の特例」で税金をほぼゼロに近づけられます。

  • 続けない(売却・転用予定)場合: 特例は使えず、高い倍率や宅地比準方式による高額な課税を覚悟する必要があります。

農地が「市街化区域」にあるのか「市街化調整区域」にあるのかによって、使える特例や評価額が劇的に変わります。まずはお手元の固定資産税の課税明細書で、地目や区域を確認されることをお勧めします。

お気軽にお問合せ・ご相談ください

受付時間
10:00~20:00
定休日
年末年始・春季・秋季

お気軽にお問合せください

<受付時間>
10:00~20:00
※年末年始・春季・秋季は除く

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

新着情報・お知らせ

令和8年1月22日
ホームページを更新しました
令和7年7月3日
「サービスのご案内」ページを更新しました
令和7年7月2日
「事務所概要」ページを作成しました

本田陽一郎公認会計士・税理士事務所

住所

〒669-1133 兵庫県西宮市東山台3丁目4番地11

アクセス

JR福知山線西宮名塩駅から徒歩10分
駐車場:駅前にあり

受付時間

10:00~20:00
(アポがあれば柔軟に対応)

定休日

年末年始・春季・秋季